ケニーオメガという選手の肩越しにみる新日本プロレスの未来について、勝手に語ってみました

中邑真輔という一人のレジェンドが新日本プロレスで活躍していた時代を私は知りません。

VTRで彼の試合をみる度に、あと少し、あと数ヶ月早くプロレスを知っていれば、彼と時代を共有できたのにと悔やまれます。

中邑真輔は本当に素晴らしいプロレスラーです。

新日本のリングで彼の戦いを観れないのが非常に残念でなりません。

 

中邑選手は退団会見の席で、ラストマッチでタッグがくまれている(中邑選手と)ゆかりのある選手に対する思いを聞かれ、こう答えています。

年間100試合以上を13年間も続けてきたので、誰もがゆかりというか、大事な仲間、兄弟のように思っているが、その中でも後楽園を戦う人間は自分のプロレスラーとしての物語野中で重要な役割をしてきたメンツだと。

 

その新日本プロレスChaosの中邑真輔としてのラストマッチの直後、ケニーオメガ選手が突然リングにマイクを持って現れました。

彼はこう語り始めます。

「Oh, Shin-chan. It's your last match. Congratulations.

I kind of feel a little sad, but we should all be happy.

It's not good by. It's your graduation.

That's what you want to tell people.

Listen. What I would love, Shinsuke, it's for you to tell people your truth. Tell them that you are scared.

Tell them that you don't want to face me...

(真ちゃん、これが最後の試合だな。おめでとう。

ちょっと寂しい気もするが、俺らはお前のために喜ぶべきたよな。さよならじゃない、お前は卒業するだけだ。

お前は俺らに伝えたいんだよな。

(野次を飛ばす聴衆に向かって)聞けよ!俺が望むのはな、真輔。お前の本当の気持ちをこいつらに聞かせてやって欲しいんだよ。お前はビビってるって言ってやれ。

お前は俺と対戦したくないんだと言ってやれ・・・)」

 

と、そこに棚橋選手が中邑選手とケニーオメガ選手の間に割って入ってきて、すべてを台無しにするわけです。(この数ヶ月後、棚橋選手はラダーマッチでケニーオメガ選手に敗れ、きっちり落とし前をつけれるわけですが)

棚橋選手の言葉はこうでした。

「シャラーップ!(歓声が沸き起こる)

いいか。説明してやるよ。寂しいけどな、中邑は今日がラストマッチなんだ。

わかるか?だからインターコンチ、俺しかいねーだろ! I am X !!」

 

ん???

一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。

スカイロケットで大気圏外まで一気につれてかれたようなドン引き感とでもいいましょうか。顎が床につきそうで絶句。

 

棚橋選手に一言。

説明してやるというならせめて、中邑はな、お前なんか鼻っから相手にしてねーんだよ!、ってくらいは言って欲しかったなー。

だからインターコンチ、俺しかいねーだろ! I am X !!」

って、これじゃ、ただの目立ちがりやです。

KYはお前の方だ!ってツッコまれちゃいますよ!

 

先ほど「すべてを台無しにした」といいましたが、そう感じた人は、会場に、日本に、世界にどれくらいいたでしょうか。

少なくとも会場の雰囲気はケニーオメガに冷たく、彼は孤独だった。彼は笑い者になった。

解説席のライガー選手は「ケニー帰ってくれ。今お前はいらない。」とまで言っていました。

実況者の誰かが言っていました。「旅立ちを邪魔させない」と。

 

ケニー選手自身も言ってましたが、これは中邑選手の引退じゃないんですよ。

ただ次のステージに立つために、新しい自分に挑戦するために新日本を卒業しただけなんです。

泣くのはいいですよ。涙は魂の叫びです。その涙にケニーオメガという猛毒が一滴入ることで美しさを増すのに、それを綺麗な感動の一ページにまとめちゃっていいんでしょうか?

プロレスにベビーフェースとヒールがある以上、花道もお手手つないで渡りましょう♪ は、ぜーったい似合わない。

刺客が隠れているから、ありえない手で襲ってくるから面白いんですよ、プロレスは。

 

ちゃんと空気を読んで、その場を無言であとにしたケニー選手は立派でしたね。

今回、G1で文句なしの結果を残し優勝したケニー選手でしたが、この日の出来事が彼(ケニーオメガ)を孤独の淵に追いやり、そして強くしたと、カナダへの帰国直前のインタビューの中でそう振り返っています。

 

私は最後まで聞きたかったです。

あの日、ケニー選手は中邑選手にどんなはなむけの言葉を言おうとしたのか。

助け合う仲良しクラブの言葉なんかじゃなっく、

死ぬ気でぶつかり合った対戦者として、何を伝えたかったのか。

AJ Styleの最後のときも、Bullet Clubの仲間全員でボッコボコにしたケニー選手のことですから、ぼろくそに言ったのかもしれません。ヒールですからね。きっと恐ろしいことを語ったのでしょう。

それでも私は観たかった。

中邑選手がそれにどう反応し、何と言い返すのか、私は観たかった。

「俺の挑戦は世界を股にまだまだ続く。見たことのない世界をみせてやるよ、楽しみにしてろ、YeaOh!」とでも叫んで、

団体を、そして国境を越えたG1の可能性を示して欲しかった。

あのときの妨害がなければ、新たな歴史が始まっていたかもしれない。

 

プロレス界の中でも新日本プロレスは非常にいい試合をします。大好きです。

海外にも、もっともっと進出してほしいです。

今後、新日本プロレスが世界で通用するために必要なのは、残酷さを受け入れる強さと、思考の柔軟さと、そして語学力。なのかもしれませんね。